《MUMEI》

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物凄い剣幕で、わたしは川崎先生に詰め寄った。


「知ってるんでしょ!?なんなの、アイツ!!わがまま放題・やり放題で!クラスのバカ男子たちは、アイツの下僕に成り下がるし!」


先生の襟を、ガクガクと力任せに揺らした。先生の首が前後にグラグラ揺れて、少し青白くなった。

怒りがおさまらないわたしは、そのままの勢いで、言い募る。


「だいたいなによ!いきなり、フィアンセだとか言いやがって!!」


頭おかしいんじゃない!?と、ほとんど叫ぶように言うと、

川崎先生は、わたしの手を静かに振り払って、

飄々と答えた。


「まぁ、事実だしね」



……。

…………。

………………えっ!?



予想外の言葉に、わたしは目をむく。


「今、なんつった!?」


わたしの顔をまっすぐ見据えて、先生は淡々と繰り返す。


「事実なんだ。あの留学生は、正真正銘、義仲さんの婚約者。まぁ、義仲さん自身は知らないと思うけど」


先方とウチの会長が勝手に決めた話だしね、と簡単な調子で言った。

わたしは固まった。



……………ウソ。



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