《MUMEI》

「まだちゃんと巻いてない」


「おぇっ」

ストールの端を握られ、走って逃げた反動で絞まる。


「可愛い我が子を送り出すんだから、もうちょい余韻に浸らせて。」

可愛い我が子なら締めないで欲しいですけどね。


「乙矢、フラれたら慰めてね……」

完全に、読まれてるな。
でもオレの意志は伝わっているようで、止めには入らなかった。


「お守りやるよ。それだけの覚悟あるんだろう?」

ストールの中に何か突っ込まれる。
それだけの……って?
中で触って確かめてみた……最初、よくわからなかったのだが…………


「……もう行く!」


「気をつけて。」

乙矢のお節介……!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫