《MUMEI》 裏手に回り影に潜みながら、塀を這うように探す。 木々の間にひび割れを見付け、根元にはちょうど俺が入れそうな穴が。 神部のメールでは庭から入り向かって正面の、ゲストルームの窓はたまたま“壊れている”そうで、 そこから侵入出来た。 神部の家は土足で入れるから足音さえ気をつければ大丈夫。 ………………あれ、 七生の部屋何処? そうだ、肝心の七生の部屋を聞いてなかった! 地図とか無いか……、廊下に出てみたがそんなショッピングモールみたいなものあるか。 あまりに動揺し過ぎて、若干、迷った。 広すぎだ。 迷ったらどうすればいいんだっけ…………警察? とりあえず、神部に連絡を……。 緊張で強張った指先が携帯を掴めない。 ガチャーン 広すぎる廊下から響き渡る。 そして背中に冷や汗が染み渡る。 「だれ……」 早くも見付かって頭はパニクる。 前へ |次へ |
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