《MUMEI》

裏手に回り影に潜みながら、塀を這うように探す。
木々の間にひび割れを見付け、根元にはちょうど俺が入れそうな穴が。

神部のメールでは庭から入り向かって正面の、ゲストルームの窓はたまたま“壊れている”そうで、
そこから侵入出来た。


神部の家は土足で入れるから足音さえ気をつければ大丈夫。


………………あれ、
七生の部屋何処?

そうだ、肝心の七生の部屋を聞いてなかった!

地図とか無いか……、廊下に出てみたがそんなショッピングモールみたいなものあるか。

あまりに動揺し過ぎて、若干、迷った。
広すぎだ。


迷ったらどうすればいいんだっけ…………警察?


とりあえず、神部に連絡を……。
緊張で強張った指先が携帯を掴めない。









ガチャーン


広すぎる廊下から響き渡る。
そして背中に冷や汗が染み渡る。




「だれ……」

早くも見付かって頭はパニクる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫