《MUMEI》

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急な展開にわたしは戸惑い、あの…と言いかけたのだが、

将門が、ストップ!と大きな声で遮ったので、わたしは口をつぐんだ。

将門は顔を赤くして、またわたしから目を逸らし、わかってるから!と言う。


「君に彼氏がいるのは、わかってる!いつも一緒に歩いてたヤツでしょ?」


わたしは一度瞬き、

数秒後、思い付いた。



…………あぁ、


義仲のことね。


最近ずっと、一緒に登下校してたし。



将門はわたしを見ないままに、つづける。


「迷惑なだけかもしれないけど、もう気持ち抑えらんなくて、だから…少しでも良いから、考えて、くれないかな?」



………『考える』?



なにを?と尋ねるまえに、将門が顔をあげ、わたしのことを見つめた。

彼は熱のこもった眼差しを外すことなく、呟いた。


「…好きです」


将門の、そのまっすぐな想いに、わたしの心は強く打たれた。

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