《MUMEI》

.

言い切ると、彼はわたしの手を取り、メモ紙を握らせて、返事待ってます…と囁くと、

くるりと踵を返して、わたしからゆっくり離れていった。

わたしは渡されたメモ紙を眺める。


そこには、名前と携帯番号とメールアドレス。


そして、


『連絡くれたらうれしーです』


…との、メッセージが添えられていた。



…………マジ??



わたしは顔をあげ、将門の姿を捜したが、彼はすでに人込みに紛れてしまい、見つけることが出来なかった。


嵐のような将門の出会いに、

わたしの心は、ざわついた。


わたしはメモ紙を握りしめて、そこに立ち尽くしたまま、

しばらく動くことが、出来ずにいた…………。





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