《MUMEI》 . 言い切ると、彼はわたしの手を取り、メモ紙を握らせて、返事待ってます…と囁くと、 くるりと踵を返して、わたしからゆっくり離れていった。 わたしは渡されたメモ紙を眺める。 そこには、名前と携帯番号とメールアドレス。 そして、 『連絡くれたらうれしーです』 …との、メッセージが添えられていた。 …………マジ?? わたしは顔をあげ、将門の姿を捜したが、彼はすでに人込みに紛れてしまい、見つけることが出来なかった。 嵐のような将門の出会いに、 わたしの心は、ざわついた。 わたしはメモ紙を握りしめて、そこに立ち尽くしたまま、 しばらく動くことが、出来ずにいた…………。 ****** 前へ |次へ |
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