《MUMEI》
2回目
中学入学。
クラスは、端と端。
そのため、石田とは、ほとんど会うこともなかった。
時々、廊下ですれ違うこともあったけど、
とくに何もなかった。
石田は、一学期の終わりくらいから(さらに)あか抜け始め、
しょっちゅう放送で呼ばれていた。
だけど、小学校からしていた野球はずっと続けてたようで、
2年生のとき、キャプテンになっていた。
あたしは、テニス部に入り、みんなを笑わせるムードメーカーになっていた。
石田には負けらんない!そんな気持ちがずっとあって。
あいつより、目立とうと、面白おかしいことばっかりしていた。
「女」のかけらなんて、とうに捨てちゃった。
周りは、彼氏彼女を作り始めていた。
こんなあたしでも、告ってくれる人は何人かいた。
けど、なんかそういう気分にはなれなくて。
相手も、断ってもそれ以上言ってくることはなかった。(ちょっとさみしかった)
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