《MUMEI》




















半泣きで冷えたチーズバーガーを頬張る長沢。









ペロペロキャンデイ片手にビールを飲む、酔っ払い佐伯









肉補給とばかりに遠慮なしにチキンに被りつく誠








一枚の絵を見つめる俺。





「佐伯…、マジでこれが長沢に贈るクリスマスプレゼント?」

「スゲー上手いだろ?」

「…………」





画用紙いっぱいに描かれた、多分長沢貢の似顔絵…。



小学生真っ青な画力で、しかもクレヨンで描かれていて…




【いつもありがとう】




…と、上に書かれている…。





冗談?ギャグ?いや違うってそれってどっちも同じ意味じゃん!


俺美術選考してなかったから佐伯の絵心のなさ知らなかった…いやいやいや、こんな下手くそな高校生がいるか!

佐伯はギャグでこれを用意して他にちゃんとしたプレゼントがあるに違いない。


佐伯は俺からそれを奪い、長沢にすっと渡した。


「「「………」」」





誠は長沢の後ろからそれを覗き込む、が…直ぐに俺に視線を移して、無理矢理笑いを堪えた変な顔をした。


「頑張って描いたんだぞ?、それやるからもう俺のこと小学生扱いすんなよ!」



佐伯は照れくさそうにそう言うと、長沢の前にケンタッキーの最後の1ピースを置いた。






どうやら、マジで描いたみたいだ。

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