《MUMEI》

いつの間にか、おでん屋台の親父の姿が見えなくなっていた…。



おそらく気を利かしたつもりなのだろう…。



いらぬ計らいに、思いがけず狭い屋台は、二人きりの甘美な空間へと変わっていた。



ドキン「食パンマン様……………


…私は汚れた女よ。……貴方にふさわしくないのは解ってる…。


……でも……自分に嘘はつけない…。


…私は今でも貴方を愛してるの…。」



S専務「ドキンちゃん…。」



翡翠色した瞳が涙で潤み、真っ直ぐに食パンマンを見つめている…。



食パンマンは、忘れていた何かが、心の奥底で燃え上がるのを感じた…。

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