《MUMEI》
・・・・
 青年たちの物語がひとつの終わりへと収束してゆく。
 それは、求めようが求めまいがやってくるもの。どんな結果であろうとそれは手のなかに収まり、いつのまにか手にしている。
 求めるもの、それは己の身に合った幸福であり、己の身に余る幸福であったりする。理想や夢と言ってもいいだろう。大小違えど、それは誰しもが持つもの。
 手にするもの、それは千差万別でありながらも誰もが平等に与えられ、不平等な結末を突きつけるもの。
 求めるもの、手にするもの。
 そしてある兄妹にもひとつの終わりがやって来ようとしていた。

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