《MUMEI》

よしっ!


「暴いたるで〜♪」


「──何をですか?」


「きゃあ!?」


何で後ろから!?


「楽しそうですね。是非ご一緒──」


「ちゃっ‥ちゃうからっ。今のはただの独り言‥」


「にしては随分と音量がありましたね」


「せやからっ‥」


あかんっ‥もう見破られとる‥!?


「お嬢様」


「ッ‥!?」


「1つ命令があります。土曜日までは僕の部屋には入らないで下さい。それと──土曜当日はリビングも立ち入り禁止です」


「は‥!?」


「リビングへの立ち入り禁止は晩餐までの間だけですけどね。朝食などはお部屋にお運びしますのでご心配なく」


「何で‥‥‥?」


「キスして下さったらお答えしてもいいですよ」


「‥ほなええわ‥」


キスしてまで訊きたないもん。

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