《MUMEI》

「紅茶、いらないのか?」


「今は飲みたい気分やないもん」


「淹れてしまった以上、飲んでもらわないと困るんだけどな」


「せやから今は‥」


「口移しにしてやろうか?」


「嫌やッ‥」


何でそこまでして飲ませたいん‥?


「どうしてもと言うなら──別の手を使うしかないな」


「ハイ‥!?」


まだ他にあるんかいなっ‥。


「どうする? 口移しにするかそれとも──」


「分かった! ‥‥‥飲みマス‥自分で‥」


続きは聞かん方がええ気がするっ‥。


「──では、リビングへどうぞ」

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