《MUMEI》

「ゴホッ‥だってアンタがいきなり言うから‥」


「何かおかしな事でも言いました?」


「言うてへんけど‥」


アンタの声、ドキドキさせるんやもん。


「もう大丈夫ですね?」


「うんっ‥おおきに‥」


ぅゎぁ‥心臓バクバクや。


こっちは大丈夫やないかも‥。


耳まで熱なってきたっ‥。


落ち着けっ‥冷静になるんやあたしっ。


「どうされました? 紅茶が熱過ぎましたか?」


「ちゃうてばぁ‥」


アンタなんやてば、原因は。


──分かっとるんやろ?


「──フ‥」

「ほらぁ」

「何がです?」

「せやからぁ、アンタ──」

「面白いですね、相変わらず。──取りあえずそれ、召し上がって下さい」

「話逸すなぁっ」

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