《MUMEI》

危ない危ない‥またアイツに無理矢理付き合わされてまうとこやったよ‥。


ていうか、何であたし‥あないな事言うたんやろ。


はよ部屋に戻りたかったはずやのに。


無意識なんよなぁ、いっつも。


ほんまはあたし──アイツといたいんやろか。


そうなんかなぁ?


──かも知れへん。


アイツの事、好きやし。


ほんまに惚れてもうたみたいや。


何でアイツを好きになったんかは分からへんけど‥惹かれるもんがあったんやろなぁ。


──どこに惹かれたんやろ。


アイツのどこに惹かれたんや?


「う〜ん‥」


謎やな‥。


アイツの事の方がもっと謎やけど。


「ふー‥。──ん‥?」


何や、アイツ──まだキッチンにおるんか‥?

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