《MUMEI》
初日からトラブル発生5
とりあえず、いろいろ気になる事は


今は、無視!


『門から入ったら、ひたすら真っ直ぐ来てね』


誠治さんの言葉を思い出す


…多分、真っ直ぐって、こっちだよな


リムジンから脱出した時は、完全に方向がわからなかったが


後ろに、ゴールだと思った門が見えた


…ちっちゃく、だけど


「ま、どうしても無理なら誠治さんに連絡するか」


疲れたから、ゆっくりと歩き始めた


…にしても、人がいないな。


ま、広いから、俺みたいに歩くヤツなんていねーんだろーな


元々鳳凰学園は、金持ちの坊っちゃんばっからしーし


合併する事になった女子校もお嬢様学校らしーし


俺、一般庶民だけど、大丈夫かな?





ま、何とかなるか!


うん!


そんな事を考えてたら、意外と早く校舎らしき建物に到着した


デケー


キレー


それは、外も中もだった


「…あ」


下駄箱に来た時点で、気付いたんだけど


…靴、どうすればいいんだ?


「こっちだよ」

「!」


笑顔で俺を手招きしていたのは、さっき別れたばかりのクイーンだった


その足元には、来客用のスリッパがあった

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