《MUMEI》
間抜け理事長と鬼畜校長
「お、お…そい、よ…まこ、ちゃん」

「悪い」

「本当にな。おかげで合体解いちまったじゃねーか。

せっかく決定的瞬間見せてやろーと思ったのに、なぁー?」


…えーと


「…ま、まこ、ちゃん?」


捨てられた子犬のような目で、誠治さんは俺を見てい


「こんなんで固まってたら、ここでやっていけねーぞ」


ニヤニヤと、笑うホストのような男


つーか、ここ来てから俺、イケメンしか見てねぇ


「とりあえず、誰ですか?」


確実に年上なホスト男に、一応丁寧に質問した


すると、男は目を見開き


「高等部校長・八坂 楓(やさか かえで)。誠治の恋人でもある」


一度だけ、夜の街で見たダイヤのキングと同じような笑顔で笑った


「ちょ、か…」

「んだよ? この状況でまだ隠すのか?」


この状況


それは、高級ソファーに寝たまま動けない、下半身だけをワイシャツで隠された誠治さんと


その誠治さんによりそう、上半身裸の八坂さんだった


…まったく


ため息をつくと、誠治さんはビクリと震えた

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