《MUMEI》 水浸しの少女クーは、聞こえてくるシャワーの音に安心していた。 そして、タオルとTシャツを持って、少女が出てくるのを待っていた。 ガラッ! 「わ、びっくりした」 「…」 待っていたクーが驚いたのは、シャワーが出しっぱなしだったのと 少女が服を着たままだった事だった。 とりあえず、クーはタオルで髪を拭こうとし 「え…水浴び…したの?」 その冷たさに、驚いた。 そして、未だに出しっぱなしのシャワーと お気に入りのシャンプー類の量を確認した。 少女は、クーが呟いたように ただ、全身に冷水を浴びただけだった。 それでも、少女の汚れは綺麗に落ちていて 先程くしゃみをしたというのに 今は、震えてもいなかった。 「とりあえず、これに着替えて」 クーは、少女の全身をタオルで軽く拭いてから、声をかけた。 「後ろ、向いてるから」 クーは少しだけ緊張しながら少女に背を向けた。 「もう、いい?」 自分脱衣所の時計で時間を確認してから、クーは後ろを振り返った。 クーが後ろを向いていた時間は、三十分と長めだった。 前へ |次へ |
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