《MUMEI》 「七生、ちょっと痩せたんじゃない?」 顎の辺りがシャープになった気がする。 「最近、勉強ばっかしてたし、ムシャクシャしたら走ってたから。」 成る程、引き締まったということか。 「……腹筋、前より硬度が増してる。」 服の上から触って確認してみた。 「二郎は窶れ過ぎだな……喰ってんのか?」 「病み上がりなだけだよ、それでも少し増えた。」 病院食は意外と量があったから。 「だから少しやわらかいのか……でも相変わらず指先は冷たい。」 「ごめん。」 腹筋から離れようとしたら掴まれた。 「もっと、感触が欲しい。」 ざわざわと囁かれた耳の奥から体中が苦しくなる。 中指を僅かに七生のスウェットの中に忍ばされた。 目のやり場に困り、固く瞼を閉ざしながら思い切って人差し指も入れてみる。 「……そう、上手。」 誉められるとかえって緊張感が増した。 七生が俺の履いてる二ーソックスに指を入れてきては何度も弾かせる、まるで追い付くのを待っているようだ。 「これって……、教育……?」 教えてもらってる感が否めない。 「ううん。調教。」 凄い良い笑顔で返された……。 「調教って響きは先生っぽくないね。」 「先生言うな。 俺の夢は可愛らしい生徒達に言われたいのであって、メイドさんにはご主人様って言われたいの。」 今度は真顔で答えられた。 「おっかしい。」 くすくすと笑ってしまう。 制するように開けたシャツの隙間を唾液で濡らされた。 「ふやっ……」 思いの外、高音が出てしまい、それ以降は飲み込んだ。 前へ |次へ |
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