《MUMEI》

『ね、如月…』


『んー?』


僕は、膝に乗った如
月の頭を撫でながら
……。


『そんなに好きだっ
た?』


『……うん…どうし
ょうもない位…』

如月の瞳が揺れた。


『そっか…』


『ホントはさ、解っ
てたんだ、和之が俺
の事なんて見てない
ってさ…でも気付か
ない振りしてた。』


『うん』


『それが、和之を追
い詰めてたなんて…
知らなかった。』


そう言うと如月は僕
の膝から体を起こし
た。

僕の目の前の如月の
肩が震えて揺れた。


『如月!』

言葉と同時に抱き締
めていた。


『海里…海里…俺、
俺…』


『うん…思いっきり
泣いて良いよ、僕が
付き合うから…』


抱き締めた手に力が
隠った。

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