《MUMEI》

「なぁ──何であたしの事好きになったん?」


「何だ急に──」


「気になるやん」


「──理由がいるか?」


「あらへんの?」


「‥‥‥」


「何でそこで照れるん?」


「‥ただ‥君を自分のものにしたいと思っただけだ」


「──自分のもんに、なぁ‥」


ほな──当たってたんや。


恋て、そういう事なんやな。


「せやけど‥何であたしの事知っとったん?」


「君が学校帰りに歩いているのを見掛けて──後をつけて行ったら邸に住んでいる事が分かって」


「犯罪やんっ‥」


ていうか全然気付かへんかった‥。


「ほんで‥?」


「これは運命だな、と」


「運命て‥」


んな大袈裟な‥。

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