《MUMEI》

「ぅ〜‥何で気付かんかったんやあたし〜‥」


「僕にとっては都合が良かったけどな」


「んなぁっ‥」


初めっからアンタあたしの事利用して‥?


「現実は小説よりも──というのは本当だな」


「何1人で勝手に納得してんねん‥」


ていうか、そろそろほんまに離れてくれへん‥?


「ぇ‥」


離れた‥?


何や、いきなり離れよったわコイツ‥。


「はー‥」


取りあえず助かった‥。


やっぱ独りで寝るべきやった‥?


かもな‥。


コイツは危ないて分かっとるのに何で来てもうたかなぁ‥しかも夜に。


「心配するなよ、悪いようにはしないから」


「余計心配やわ、それ‥」


「何か言ったか?」


「何もっ‥ 何も言ってへんよ、うんっ‥」

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