《MUMEI》

七生の掃けたベッドはやけに広くて、上半身はいつの間にか袖が肘に通っているのがやっとだった。
でも、スカートは殆ど乱れていない、……………………………………………………………………余計な気遣い。


「じろー……」

ベッドサイドに置かれてるスタンドライトのオレンジの薄幕が暗闇を包む。
眼鏡がズレたので視界が歪み、七生の足がベッドに乗るとこまでしか見当たらない。
重さで足が沈む、それに向かって足を組み直した。
ついでにニーソックスを脱ぐ。


「……脚線美。」

足の裏から、ふくらはぎ、膝、内股と七生の手の甲が跳ねる。
テントのように覆うくせ毛が特徴的な陰が、俺の陰と重なる

陰の方にキスを先越された。

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