《MUMEI》
ひとつに
俯き加減の視線、

キスのために、
息を止めるタイミングを合わせる。


初めてのキスは乱暴で、互いにぶつかるようなものだった。

今もそうだけど、
でも、
知ってしまった。

乱暴な動きに意味があって、




「……あっ、」

唇が摩り込まれ


「……いっ、」

舌先が絖り


「……しっ、」

飛散する


「……てっ、」

噛まれる


喉奥に震える最後の「る」。

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