《MUMEI》

──ほんまにドキドキやった‥。


しかも‥あたし寝てまうやなんて。


まさかあの状況で寝るやなんて思てへんかったわ。


アイツは寝たんかな‥?


起きてたんかな‥?


ていうかまだ6時やん。


もうひと眠りしよかなぁ。


て‥もうすっかり目ぇ冴えてもうたし。


朝ゴハンまでは、まだ1時間ある。


どないしよかなぁ‥。


──何も思い付かんくて、ボーッとしとった。


そのまま、時間経ってもうたらしい。


「まだ着替えてらっしゃらなかったんですか?」


「きゃあ!?」


コイツ‥当たり前みたいに人ん部屋入って来よる。


「すぐ行くからちょお待っとって」


「畏まりました」


「‥何でおんの?」



「問題でもありますか?」


「アンタがおったら着替えられへん」

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