《MUMEI》

冗談かと思てたら。


油断出来ひんなぁ‥もぉ‥。


予想大外れやん。


「お砂糖で宜しいですか?」


「うん。ぁ‥レモンある?」


「はい、少々お待ち下さい」


ほんまに、少々しか待たされへんかった。


「──珍しいですね。いつもはお砂糖入りしか飲まれないのに」


「‥気分や」


「フ──。そうですか」


「〜〜〜‥何で笑うんよ」


気分とか言うたから?


あたしが今照れとるから?


「──どうかなさいました?」


「ぅ‥ううん」


ていうか‥やっぱ一緒に食べるんやな、朝ゴハン‥。


こないしてると何ていうか──ほんまにコイツが主人みたいな気ぃしてくる。


て‥何考えてんねんっ‥主人はあたしやん。


「‥それ忘れたらあかんやろ‥」


「はい?」


「いやっ‥独り言やから気にせんとって‥!」

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