《MUMEI》
天使の恋
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「堕天使 ペイモン」





ジンが突然口を開き、リツが振り返った


[よく分かったね。…私の名まで]

フルアは目を細めて再び二人に背を向ける

その背からは衣を擦り抜けて、
二つの翼が現れていた


「………」


[私も、元は天使]


「元は…」



[かつては天使として、この…二つの紫水晶で地球《この星》を見守っていた]


フルアは顔を上向け
宙《そら》に手を差し伸べた


[やがて地球へ降り、人間たちを見守る役目を担った]


「誰の指示で」
リツがかみ付く

フルアは首を横に振った


言えない、という事だろう



[………私は、人間を見守るためだけに来たのに]

フルアは翼をゆっくりと広げて見せ、
肩と翼越しに二人を見た。

[禁忌を犯した。]

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