《MUMEI》 . わたしはため息をついた。 「帰り道で見かけてたんだってさ。好きです、付き合ってください!って、すんごい直球」 千影はふぅん…と適当に相槌を打つ。そして、首を傾げた。 「当然、フッたんでしょ?」 わたしは顔をあげた。 「いや、まだ」 「まだ!?」 冗談でしょ?と言わんばかりの顔つきだった。わたしは眉をひそめる。 「なによ、その反応」 尋ねると、千影は、だってさ…と答える。 「あんたなら、そんなヤツ、その場で、『整形してから出直しな!』とか一蹴しそうなのに」 …………なんだ、その言われようは。 千影の言い方を不満に思ったけれど、あながちハズレではないので、とりあえず流した。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |