《MUMEI》

  
「荷物は減らせって言ったろ…梅子を見習え」
「や…あの///…私も多分無駄な物が入ってて…枕とか///」
「俺は無駄だらけだよ…だってさ、くるみちゃんとずっと会って無かったんだもん…」

くるみってのはこの兄弟の末の弟で、幼稚園児くらいの小さな男の子らしい。

「という事はお前ら…4人兄弟か…」
「うん、それにパパは兄弟の中の末っ子だからまだまだいっぱいなんだよ♪」

かなたのドイツ側の爺さんってのは、奥さんが何人も居るプレーボーイで、かなたから聞いたからなかなか的を射無い話ではあったけど、兄弟関係が色々複雑ではるかもよく分かっていないんだとか。

「…あの叔父さん達は出てったんじゃないか?」
「えーっ、もういっぱいこんがらがってて分かんないよ〜ι」

くるみって子も弟だったけど克哉さんとアキラさんトコに居て、今では甥っ子って事になってるらしい。

「へぇ…ぁ、だったら私も何かお土産探しちゃおうかな///」
「うん、くるみちゃんはぬいぐるみとか好きなんだよ〜♪」

複雑だけど、兄弟やその他諸々がいっぱいか…。

生まれた頃から親族といえば親父しか居なかったんで、その感覚は俺には思い浮かべる事も出来ないけど…。

きっと想像もつかないほど賑やかなんだろうな。



初めての飛行機で緊張するかと思ったけど、案外快適で機内食もかなたが全部面倒を見てくれて、しまいには小腹が減ったぐらいの時間帯にカップラーメンを持ってきてくれた時はかなたと一緒に居て良かった…と思った。

向こうのカップルの方はというと、はるかの方がお菓子を持ってきて梅子ちゃんに色々と食べさせて楽しそうにそれを眺めていた。

…色んな変態の形があるんだな。

かなたは前に言っていたように女の子みたいな可愛い色の短パンで、俺に寄りかかりながら眠っていた。

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