《MUMEI》

「あれ、ちゃんと飲まないと駄目ですよ?」


「ごめん‥忘れてもうて‥」


「フ──誤魔化すつもりならやめた方がいいですよ? お嬢様は嘘下手なんですから」


「‥ぅ‥」


「今──お薬お持ちしますね」


「ハイ‥」


──‥今度こそほんまに薬飲むハメになってもうた。


しかもクラクラしてきよったし‥。


熱あるんかな‥。


「──お待たせ致しました」


「ぁ‥‥‥おおきに‥」


薬飲んで、早めに休む事にした。


「──お部屋までお連れしましょうか? お姫様抱っこで」


「ええデス」


自分で歩けるもん。


「──‥ゎ‥」


「抵抗は無意味ですよ?」


「ちょ‥!?」

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