《MUMEI》
エースの笑顔
黒崎明雅視点


…珍しい


エースに、表情が


しかも、笑顔があるなんて


ダイヤの幹部の中で、一番何を考えているのかわからない


それが、エース


そういえば…以前一度だけ


エースがこんな風に笑った所を見たことがある


あれは、いつだっただろうか


確か、いつものように夜の街に出て、途中でエースが単独行動をとって


多分、いつものようにケンカして


帰ってきた時


『何かいい事でもあったんですか?』

『あった』


いつもは無視するのに、エースは私の質問に答えた


しかも、同じような笑顔で


『何があったんですか?』

『…』


それっきり


いくら質問しても、エースは何も答えなかった





高橋、誠


理事長の知り合いで、尚且つ優秀な


今年唯一、外部からやってきた、特待生の少年


ダイヤを、知っていた彼は


エースの笑顔と関係あるのか?


…まさか、な


私はすぐに自分の考えを否定した


「では、私は職員室に戻りますから」


そして、落ち着きを取り戻したキングとクイーンと


無表情に戻ったエースに頭を下げて、生徒会室を出た

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫