《MUMEI》 ネオンが気になる事「ありがとう、ネオン」 「いーえー」 ネオンはクーに笑顔を向けた。 「チッ」 アルゴンは舌打ちして、キッチンに向かった。 三人は、バスルームから出て、リビングに来ていたのだった。 「アンタもちゃんとした言葉遣いにしないと、あの子に伝わらないわよ」 ネオンはアルゴンにアドバイスしたが、アルゴンは答えなかった。 「でも、よくわかったね」 「『マジ』がわからなかったみたいだから」 「そっか」 あれ?でも… それなら、何故自分は最初無視されて 少女は水浴びしかしなかったのだろう? 自分はずっと丁寧に話しかけていたのに… そんな事をクーが考えていると 「ねぇ、クーちゃん。あの子には、関わらない方がいいわ」 真面目な顔でネオンが言った。 「どうして?」 「どうしてって…」 「未成年の女の子だから?」 「それも、あるけど…」 ネオンはそれよりも、気になる事があった。 それは、少女が着ていた手術着のような服の胸ポケットに 小さく、目立たない位置に刺繍されていた 『実験体』の文字と、数字だった。 前へ |次へ |
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