《MUMEI》

痛みに、涙が溢れた。
胸が痛む。
ズキッ、ズキッと脈を打って、胸が痛む。

「なぁ、帝。まじ?嘘だよな?嘘って言えよ。お前、んなヤツじゃなかったじゃん。綺麗で、何でも出来て、俺に無いもの全部持ってんじゃん」

閉じた目をゆっくり開けた。
帝は、俺を静かに見詰めてた。

「帝、離して。」

俺の声は、面白いぐらい震えてる。

帝は、クスリ、と小さく笑い、妖艶に口角を僅かに上げた。

「もぅ、戻れない。俺がこの想いを告げるとき、それが俺たちの関係が終わる時だ。」

言うや否や帝は再び俺の口腔内を犯していく。

「ん……は……んゃ……くん……」

鼻から抜ける甘い声。

別に、キスやセックスの経験は無いわけじゃない。

でもそれは勿論相手は女の子で、男となんてしたこと無い。

「……ん……は……」

やっと解放された俺は、乱れた呼吸を整えるため、大きく息を吸った。

「剣、その顔反則」

そう言って、帝が触れたのは俺のムスコ。

今さっきのキスで、僅かに勃ち上がってしまっていた。

「あん……っ!」

ジーパンの布ごと先を指で弄られる。

その度に俺の口からは媚びるような気持悪い音が鳴る。

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