《MUMEI》 ―――… カラカランッ … カレーパンマンの耳に、プラスチックと金属が擦れあうような、小さな音が届いた。 見るとそれは、ベランダの物干しに並んだ洗濯物だった。 それらは吹きさらしの木枯らしに揺られ、乾いた音をたてている。 カレー「チョココローネのやつ… 洗濯物を取り込み忘れてるぞ…。 …しょうがないなぁ…。」 優しき夫は、呆れた笑みを浮かべながら、物干し台に歩んでゆく。 そしてカレーパンマンは、苦悩を紛らわすように、洗濯物をハンガーから外す作業にとりかかった…。 前へ |次へ |
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