《MUMEI》
男勝りなお嬢様
「おい、何一人で勝手に納得してんだよ」

「廉は、何かしら説明を忘れる癖がある。だから、廉が連れてきたと言うなら、納得だ」

「あぁ、そうかよ」





本当に、何なんだよコイツ。
いきなり鉄棒を構えて威嚇しときながら、自分が間違ってても平然としやがって…。






…ん?あれ?
そういえば…





本当にコイツ…






      誰?






「おい、チビ。一つ聞きてぇんだけど、あんた…誰?」

「……はい?」

「だから、あんたは誰?」

「それ、マジで聞いてんの?」

「そうだけど?」

「あのさ、ここ、誰の部屋?」

「誰って…この屋敷のお嬢様の部屋だろ?」

「なんだ、知ってんじゃん」





何故か、当たり前の事を聞かれた。ここが何処か?そりゃ、知ってるよ。使用人として、お嬢様に挨拶に来たんだから。

でも、お嬢様の部屋とコイツに何の関係があんだよ?








「…だから、何?」

「はぁ?お前、本物のバカ?」

「はっ!?」

「だってそうじゃん。ここは、お嬢様の部屋なんだろ?そこにいる人物っていったら、一
人しかいねぇじゃん」

「え…?ま、まさか…!!」






ちょっと待て!!そんなはずは…





「そのまさかだよ。おバカさん♪」





嘘だろ?








コイツがお嬢様ぁ〜〜〜!?

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