《MUMEI》
3回目
「久しぶりー、元気ぃ??」

「おー、なつかしいなー!元気してたか〜?」

なつかしい声が会場にひびく。

「詩織!」

「みっちゃん!久しぶり、メールありがとう。」

「ううん、あ、あっちにみんないるから、行こう!」

あれから、テニス部の子たちとは仲直りした。

みんなからメールが来た。「ごめんね」って。集まりをしたとき、あたしがいないのを寂しく思ったって。
嬉しかった。今では元通り。



「あ、そうそう、聞いた?石田のこと」

「ああ聞いた聞いた!」

(石田…?)

「石田がどうしたの?」

「彼女できたらしいよ〜、ゆびわしてたから」



トイレに行き、あたしは、持ってきておいたものをつけた。



「じゃあまたな〜」

「ばいばーい」


帰り道、ゆっくり歩いていたら、

「おいっ」て聞こえた。

振り向くと、石田がいた。

「久しぶり。」

「…」

「元気、だったか?」

「…まあ」

「そっか。…彼氏、できたんだってな」

石田は、あたしの手にある、『偽物』を見ていた。

「あんたに関係ないでしょ。自分も彼女いるくせに」
「…あぁ、まあ、な」




ズキッと、きた。

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