《MUMEI》
「全部そこに行き着くんやな‥」


「はい」


「それより‥とにかく放して欲しいんやけど‥」


「ご心配なく。別に何もしませんから」


「〜〜〜ッ、ええから放っ‥」


「いいですよ？」


「ほんまっ‥？」


「『お願いしますスバル様』と仰って頂ければ」


「なッ‥」


何でそうなるん‥？


「どうされます？」


「ほんまに言うたら放してくれんの‥？」


「はい、勿論」


「ぉ‥‥‥『お願いします』‥『スバル様‥』」


──ぁ‥ほんまに放してくれた。


「これで宜しいですか？」


「うん‥おおきに‥」


何やろ──ちょっと優しい‥？


「どうかなさいました？」


「ううんっ‥おやすみ‥」


何であたし照れとるんやろ‥。

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