《MUMEI》

「塁羅、血まみれなんかじゃありませよ」


塁羅は恐る恐る部屋を振り返ると、血まみれの部屋など何処にもなかった。


「………」


「塁羅、あなたは誰も殺したことないですよ。今(げんさい)も昔(かこ)も」


「あるよ…僕は月快くんを殺したんだ。助けてくれたのに僕が殺したんだ!」


塁羅の体はいつも小さく、幼く見えた。


「塁羅あなたは誰も殺していません、あれは事故です。」


「事故じゃないよ、だって月快くん僕に『殺してやる』って言ったんだ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫