《MUMEI》 『くっ――――――』 朗読CDでは聴け無い深い発声。 トク、トク 血の集まる尖端から根元がうち奮えると埋まった芯が引き抜かれ、代わりに七生が布団に埋まってゆく。 俺はまだ、七生の感覚が残っていて、冷めてく頭と下半身が同じものだなんて信じられなかった。 すっかり、七生と繋がったものだと思っていたからだ。 余熱に浸り瞼を下ろしてしまう。 「……シャワー、使う?」 水滴が、頭上に落ちる。 「……うん?」 シャワー……? 「俺の部屋、お泊り部屋だったから風呂とトイレ付いてるの。」 冷蔵庫あれば、生活出来るじゃん……。 前へ |次へ |
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