《MUMEI》

好きやなかったら、こないに振り回されるやなんて御免やもん。


好きやから許せるけど──。


「ん‥」


今度は何乗らされ‥


「ぇえ!?」


これッ‥?


これ乗るんか‥?


「あのぉ‥」


「さて、前と後ろどっちがいいかな」


「ちょっ‥」


マジか!?


マジで乗るんか!?


「大丈夫だ、心配いらない」


「何でっ!?」


「──これよりもあれの方が恐かったようだから」


「なっ‥」


こっちの方が恐いに決まっとるやんっ‥。


「ほら、乗り遅れるぞ」


「い〜や〜やぁ〜!!」

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