《MUMEI》

‥嫌やて言うたのに〜‥。


何であたしまで乗らされなあかんの‥?


よりによって一番苦手なやつに‥。


「ぅぅ‥」


下りたいよ〜‥。


「‥!?」


もう動き出しとるしッ‥。


「恐いのか?」


「ぁ‥当たり前やろ‥恐いに決まっとるやんっ‥」


アンタ何で平気なん‥?


「恐ないの‥?」


「ぁぁ、全然」


「嘘ぉ‥」


あたし‥あかんのやけど、ほんまに‥。


「ぅわ!?」


「まだ落ちてもいないのに何を驚いてるんだ‥?」


「だ‥だって今‥ガタン! て‥」


「意外と恐がりなんだな──」


「からかわんといてや、もぉ‥」

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