《MUMEI》
可哀想なアルゴン
何度も繰り返すが、アルゴンの外見はヤクザの組長並の迫力がある。


口も、悪いし性格も短気だ。


その為、初対面の人間


特に女子供には、怖がられ


…泣かれる。


それでも


アルゴンの料理を食べれば、泣きやみ、最終的には懐いてくれる。


だから、アルゴンは今回も、自信があった。


自分の料理を食べれば、少女も自分に懐くだろう、と。


しかし


「いただきます」×3

「…」


食事を始めて、数分経っても、少女は水しか口にしていなかった。


「食べないの? おいしいよ」


クーが質問しても、少女は首を傾げるだけだった。


「はい、口、開けて」


心配したクーが、アルゴンの料理を少女の口に運ぼうとするが


「…」


少女は、口を閉じたまま、首を横に振った。


「いらないの?」


クーの質問に


今度は、少女は、頷いた。


ブチッ!


「だったら食うな!」


短気なアルゴンは、少女を怒鳴りつけ


「「アルゴン!」」


クーとネオンに睨まれた。


「…」


少女は、その様子を無表情で眺めていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫