《MUMEI》

「猥褻行為……」

前を歩く乙矢から注意された。

それも、振り向いていないのにである!


「ついに、後ろに目がついたのか?」

真顔で七生が言ったので信じかけた。










……が、伸びた影は俺達の寄り添う形を乙矢の視界まで届けていた。


「愚かだ……愚カップルだな。」

深い溜め息と冗談を一緒に吐き出されてしまった。

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