《MUMEI》

[耐え難い、屈辱…哀しみ]

失意の内に膝をついた紫水晶の堕天使を眺め


[お前たちには分からないだろうが]


現在のフルアが言い、翼を羽ばたかせると

それらは白に帰った。



[しかし、そうしているうちにも私の体は地球の影響を受け続ける]

フルアは翅ばたきで乱れ、
顔にかかった髪を払って言う


[そこで私は、声を捨てた…天使で無くなった以上、必要ない]

ゆっくりと翼が畳まれ

[そして天使が生命の創造唄を紡ぐために必要な声の力を]


「創造唄を、自分に」

ジンがつなぐ



フルアは頷いた

[宙《そら》を気に止めず、地球を見守る為に、私という存在を地球に適応するよう…創り直した]







[それからまもなくの事だ。朱黒の雨が、全世界をうめ尽くしたのは]

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