《MUMEI》
[哀しき血の涙は動植物からは純たる心を、人間からは翼を奪った
…何故降り出したかは私にも分からない]
「貴方はそのままいけば、地球の生命相関が崩壊すると感じた」
フルアはジンに微笑んだ
[ジン…お前は賢いね。その通りだ…そして、私は気付いた
四天使は飛び立つことが出来る。彼らの力を借りる必要があると]
「…?!」
ジンとリツの視界から、フルアが消える
後ろから二人の肩に手が乗せられた
[天使たちを目覚めさせる…
それを可能にする能力者《エヴァード》が生まれ落ちるのを待ち、守護者《ドレイス》を育てるべく守校を建てた]
二人の後ろから、フルアが紡いだ
[エヴァードが現れても、見合った勇気を持つドレイスが現れないこともあった]
「だから、試した」
[そう。たかが厳罰…つまりは死というモノに怯えるような輩はドレイスを勤めるに値しない。
それよりは無知のままに大きな勇気を持った者が相応しい]
「それが、五十年前の…」
フルアが遮って
[私が話せるのは此処までだよ]
左腕を真横に伸ばした
[余計なことまで言って、お前たちに不安を与える必要はない…さて]
フルアの伸ばした左腕に
晶の粒子が降り注ぎ始めた
[期は熟した様だ]
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