《MUMEI》

『良いの?このまま
別れて?』

美海が聞く。


『…っ、良くない!』

『良かった!』

美海がニッコリ笑う


『だから…ね!運転
手さん、空港まで急
いでね!』


『はい、畏まりまし
た。』

運転手さんが美海の
言葉に頷く。


スピードアップした
車は、数十分後、空
港へ滑り込んだ。


『さ、早く行って!
後悔しない様に、し
っかりコクって来る
のよ!』


背中をバンバン押さ
れて車から押し出さ
れた。


『ちょ、ちょっと美
海〜』


あっと言う間に、車
は走り出してしまっ
た。僕に、にこやか
に手を振る美海を乗
せて…。


『……!!』

僕は、覚悟を決めて
空港内へと走り出し
た。

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