《MUMEI》
少女の名前
質問された少女は、首を傾げていた。


「名前。僕が、クー。彼が、アルゴン。さっきまでいたのが、ネオン。

君は、何て呼ばれてたの?」

「…」


その時


少女の口が、初めて動いたが…


言葉は出てこなかった。


「もしかして、喋れないの?」


クーの言葉に少女は頷いた。


「おい。もう一度、さっきと同じように口を動かしてみろ」


アルゴンは、少女の口の動きで名前を知ろうとした。


「お願い」


クーも、少女の口元に注目した。


「…」


少女は、口を動かした。


「「…」」


クーとアルゴンは、それを見て、驚いた。


「ねぇ、アルゴン」

「何だ」

「…数字だったよね」

「そう、見えたな」


少女が口にしたのは


『0001』


ネオンが発見したのと同じ、四桁の数字だった。


この時まで、少女の名前は


『実験体 0001』


だった。

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