《MUMEI》
お隣さんとお向かいさん3
あ…


「今更だけど、俺、二人名前で呼んで…いいのか?」


しかも、呼び捨てだったし


「いーよ。僕も誠って呼んでいい?」

「あぁ」

「仕方ないから、呼ばせてやるよ、誠…先輩」

「そりゃ、…どうも…?」


今、『先輩』って言わなかったか?


つーか、皐月も言ってたような…


「…中等部三年、五番。安西(あんざい)和彦、だ」

「ちゅ、中等部!?」


嘘だろ!? これで年下!?


「これで年下って無いよね。あ、僕は高等部一年、四番の真中(まなか)皐月。

誠とは、同級生になるから、よろしくね」

「おう!」


皐月と話すと癒されるな!


俺と皐月はガッチリ握手を交した


そして、和彦に睨まれた


あ、そういえば


「四番って事は、部活で功績残したって事だよな」

「あ…うん…」

「皐月は料理と手芸で功績を残した」

「ちょ、和彦!」

「へー、すげーな!俺、どっちも苦手!」


俺がそう言うと、二人は驚いていた


「何だよ、俺が不器用なの、意外か?」

「馬鹿にしないの?」

「何で?」

「だって、僕、男なのに…」

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