《MUMEI》
お隣さんとお向かいさん4
「うち、両親交代で料理作るし、お袋裁縫ダメだから、雑巾とか図書袋、親父が縫ってくれたんだ」


お嬢様だったお袋は、結婚するまで家事をした事なかったし


そういう才能も無かった


その辺、俺、似ちゃったよな


親父みたいに、器用に生まれたかったよ


まぁ、喧嘩強いのと、顔付きは親父似だけどさ


「だから、変じゃねーよ」

「ありがとう」

「お前、意外といいヤツだな」

「意外とは余計だ」


生意気な和彦に、軽く蹴りを入れた


あくまで、軽くだ


「わかったよ、誠先輩」

「ん、よし」


敬語は無いけど、ま、いーか


「にしても、虎之介先輩といい、皐月と和彦といい、いいヤツばっかで良かったよ」


俺がそう言って笑うと


二人は目を丸くした


そして、何か小声で話し合っていた


何だよ、仲間外れかよ


…それとも、恋人同士ならではの話か?


ピンポーン!


「あ、今度こそ虎之介先輩だ!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫