《MUMEI》
皐月と和彦の会話
「ねぇ、和彦。やっぱり誠、鈴木先輩名前で呼んでたよね」

「あぁ…滅多に名前で呼ばせない、鈴木先輩の、名前をな」


誰にでも公平に優しく


ガチガチのノーマルという事もあり、勘違いされたく無いから


名前で呼び合う相手など、絶対に作らない


それが、皐月と和彦が知る


鈴木虎之介という人物だった


「和彦も、珍しいよね」

「誤解すんなよ。アイツは、お前を認めたから。

だから、だ」


真中皐月という人間を


皆が、平凡だから自分とは釣り合わないと批判する中で


誠は、あっさりと認めたから


「うん。僕も、嬉しかった」


自分が大好きな、料理や手芸を認められて


「でも、誠、平凡じゃないよね」

「あぁ、無自覚もいいところだ」


二人は苦笑いをしながら


玄関に走っていく


特待生の、美少年を見つめていた


「いろいろ、教えてあげなきゃな」

「そうだね。まずは、この階の他の一年と…」

「「1206号室」」


皐月と和彦は、顔を見合わせ


ため息を、ついた

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫