《MUMEI》
第一印象は最悪!!
キーンコーン
カーンコーン…


今日も学校生活の始まりを告げるチャイムが鳴り響く。

慌てて教室に入る者や、始めから席についていて、暇そうな顔をしている者、様々だった。


もっとも、あたし東野 鈴音(とおの すずね)は前者の方ですが…


遅刻ギリギリで席につくと、後ろから声をかけられた。


「今日もギリね。」


この声の主は、飛河 絢南(ひかわ あやな)だ。
ニヤリと笑みを浮かべながら、あたしに言った。

あたしはそんな絢南に…


「ふっ…。鈴音さんをナメてもらっちゃあ困りますよ。」


あたしは人差し指を立てて左右に振って言った。


「何故、いつもあたしがギリなのか…」


真っすぐに絢南を見て、焦らした。


「それは…」

『沢谷 遼也(さわたに りょうや)に会う為!!』


声が重なった。

絢南は、ニヤリとすると…


「でしょ?」


と、言った。

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