《MUMEI》

なんとかギリギリで間に合った化学の授業が終わり、続く授業も終わって、あっという間に午後になった。


「午後の授業って眠くなるよねー…」


もう、半分寝かけているが…
だが、今日の午後の授業は最高だった。

5限目は家庭科、6限目は保体である。

ほとんど頭を使わないのだ。
これほど嬉しいことはない。

一人ニヤニヤしながら、家庭科の教科書を準備していた。


「どうせ寝るんでしょう?」


絢南に鋭いツッコミをくらい、ゔっ、と心臓を抑える動作をとった。


「だ…だって眠いものは眠いんだもん!」


あたしは必死に抗議した。

くすっ、と絢南は笑うと…


「家庭科のノートはとっといてあげるわ。まかしとけ。」


と、言った。

やっぱり持つべきものは友達だと、しみじみ感じた。

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